2016-01-01から1年間の記事一覧

三月、皇居のお堀にて。

東京で迎える最後の春だから、 皇居に桜を見に行った。去らねばならない。 大好きで大好きな東京を。 たくさん泣いて諦めた朝。 根無し草の人生だもの、 わかってたこと。白鳥の白はまぶしくて、 美しくて清らかで悲しくて。 時が止まってくれたら、 このま…

空の色は水の色 雲の色は水色

天然…魔法の言葉,天然。 類義呪文に自然って言葉もある。天然の寒さから遮断され, 寒いはずの冬にコートを着込むのが不快になってしまう不自然な世界。 そんな世界で寝て起きて食べて飲んでいるから, 天然って貴重そうだし,自然って言われたら何か良さそ…

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時の流れは優しいだろうか。辛い一面ばかり見る一年だった。 そんなことを言っても仕方がないのだ。 全ては時の流れにさらされ風化してゆく存在。 だけど私は悟ることもできず、いつもいつも、 ただひたすら時の流れを怨み、ただただ苦しみに耐えている。 か…

金木犀も香らないこの街で

金木犀も香らないこの街で わたしはひたすら彷徨い歩く。 記憶の中の過去の日を。 記憶の中の青い空を。 記憶の中の冷たい空気を。 金木犀も香らないこの街で わたしはひたすら心を閉ざす。 記憶が零れないように。 記憶が色褪せないように。 記憶に埋もれて…

時は幻の風

失ったものは失ったもの。 泣いても嘆いても戻らぬことなど明白なのに、何故悲しむのか。 何故涙は諦めぬ。何故物理的には健康な筈の胸が痛む。 何故身体は本人の事情を無視して全力で辛さを支援する。 全ては気持ちの持ちようだから黙って淡々と乗り越える…

旅立ち

別れるのは苦手だ。人とも物とも過去とも。 いくら「出会うは別れの始め」が世の理であっても、現実の別れを目前に少しも慰めにならない。 潔く別れを受け入れられないから、一縷の希望を見いだそうと「またね」と言って現実から逃避する。 だが一方で、「さ…

巡る時の中で

切れなければ ほんの少しでも繋がっていれば 縁はいつか巡ってくることもあるだろう。だから無縁なんて言わないで。言わないで。 心で泣きながらのぼった無縁坂。

いつかまた時の向こうで

寂しくないから期待はしない。 居場所がないなら帰らない。 遠いなら忘れよう。 記憶なんて負担なだけだ。 そう思ってやってきたのに。 それが生きるすべなのに。 たまに現実は裏切るね。 ごくたまに。 だからたぶん明日も生きる。

旅の途中

たぶんわかっていた。 留まれないのだってこと。 過ぎゆく光景だってこと。 愛しても愛してもこぼれ落ちてゆくのだってこと。 見えない果てに向かって車窓のように。 人生のように。人生だから。 ごめんね。悲しいね。寂しいね。 でも仕方がないんだよ。 黙…

思い出なんて

もう会いたくないのです,記憶の中の日々なんて。 死に向かって突き進むには邪魔すぎる。 立ち止まって振り返って,いったいそれが何になろう? 必要最小限度の思い出は大切に持っている。それで十分。 あなた方は今の私の血肉になって消えたのです。 だから…