2015-01-01から1年間の記事一覧

書架の前で

私が育った地域では,12月24日は学校の終業式だった。 学校はいつもよりかなり早めに終わるから,その後一人で本屋へ向かう。いつもは買えない高額な,といってもせいぜい2000円程度の天文書を,この日だけは買うことを自分に許す。14歳の頃から10年くらい続…

ネットの海は広大でわたしはとても孤独なのだ

パソコン通信の昔からネットの向こうに依存しまくりの精神生活で、私の精神はほぼネットの海の中に存在している。ゆりかごから墓場まで、目覚めから就寝まで。 しかし、ここ数年、SNSがどんどん居心地悪くなってきていることも事実だ。見たくもない他人同士…

雨の夜に

風を切るように心が弾んだあとは きっと転がりすぎて怪我をして 痛みに耐えながら決意する 低温で低空飛行で進んでいこう 凍りついた動かぬ心で だからお願い闇よ雨よ 一足ごとに冷やして私を冷やして 二度と弾めぬよう温まれぬよう

今日の私も明日はいない

学生時代は週末の夜にオールナイトで映画を見るのが楽しみだった。土曜日が休みのような時代ではなかったので、午前中は大学で講義を受け、午後からバイト。就職活動のための資金が必要だった。そして20時頃から自転車で繁華街へ出かけ映画館へ入る。贅沢な…

that is the question

沢山の選択肢があって沢山の答があって みんな間違っていてみんな正しくて 考えれば考えるほど立ち止まるしかなくなって だからいつも過去ばかり振り返り 耳を澄ませ空を見上げ風に吹かれてる気がします 何かを選ぶのも何かを選ばないのも 常に唯一無二の選…

いまはこぎいでな

潮時 わかってる 一年半も前から 痛いほど 留まる意味はない ただ行き場がない 行きたい場所も 心を埋める約束も そして今日も 空を見上げる 澱みの上で

射程距離

弾は届かない どんなに狙いを定めても 圧倒的な時の壁

Good bye

風が運んでゆくだろう わたし自身さえだから寂しがらなくていい初秋の海で帆を立てて 一人ここから旅立とう遠い遠い空の下 遙か彼方の海原でいつか君に会えるだろうか

またね

命の道は孤独な片道通行。 寂しくても悲しくても一人で歩むしかない。だからね、たまに誰かの道と交差して、 ひととき一緒に過ごせたら嬉しい。ほんの短い時間でも、 心が寄り添えたら幸せだと思う。そんな時間が行く手のどこかにあるならば、 独り淡々と歩…

Midsummer Night’s Dream

儚く短い夜に見る夢は なくしてしまったこころの欠片 焦がれて忘れた涙の欠片 舞い上がってゆく みんなみんな 白む空へ溶けてゆく 君の名残りの朝露は きっと甘くてしょっぱいだろう ☆★☆

遠い日は微かな星

変わりすぎてしまったから もうなじめないから 追わないでください 引き留めないでください フェイドアウトさせて 思い出が輝いているうちに ☆★☆

everywhere

自分なんてどこにもいなくて、どこにもいる。 大人ロボットを着込んで操縦している私。 目の前の人が自分に期待しているのではと想像する殻をかぶって、 各々の殻に用意されたプロトコルを実行するロボット。 そんなのは子供の頃からだった。 そしていつのま…

さよならだけが人生ならば

終わりをどう迎えるかはとても大切だ。 けれど、理由もなく必要もなく、 自ら終わりを決意するのは難しい。 美しくないと分かっていても、 刹那の甘さにしがみついてしまう。 明日のために何かを終わらせる勇気を。

風が運んだ時間

袖が膨らんだシフォンのブラウス。 ピンクのコールテンの長いジャンパースカート。 肩に白猫を乗せていた15歳。 猫のように真っ白な未来を抱えた春休み。 黒雲を押し流す嵐のような風に乗って、 どこかへ飛んで行った気がした。 たぶんそれは、今日。 2015年…

春は咲き

凍り付いた心を頑なに閉じ 怒りも悲しみも感じないひとになりたかった それらを封じ込められるなら 喜びも楽しさも死ぬまで捨てていい なのに解けていく 性懲りのない心は忘れてしまう あの日の涙も痛みも何もかも 世界を満たす明るい桜色 わたしを解かさな…

眩しい春のカタストロフィー

涙乾くまで寄り添った 風吹くキャンパス 丘の上 遠く遠く 踵を返した夜の向こう 知っていたよ 君はとわに去ってゆく

passing

愛おしい日常の雑事のなかで ただ普通に過ごせたらと思った心にも残らない会話をたくさんしてね ぶらぶらと買い物なんかして空を見上げて季節を感じて でもそこに君がいるとても小さくて叶わない白昼夢

ジェンガ

抱かれてしまった印象を変えるのは難しい。 失ってしまった信頼を取り戻すのも難しい。 だけど間違わずに生きることは不可能だ。 ひな祭りの日から十日も経ってしまった。

旅立ちの狭間は今日の命

さよならとさよならの間 全ての時間がそうだよね さよならだけが世の定め みらいなんてまぼろしだ だから今日も見ていたい だから今日も見ていよう いつかのさよならのため 明日がこない日のために 君が放つ言の葉を面影を 勧君金屈巵 満酌不須辞 花発多風雨…

木漏れ日が眩しかったから

止められない 涙も枯れるカタストロフィーも 明日を忘れる自棄酒も 時が巡るのを 風がそよぐのを 春が華やぐのを 二度と開きたくない瞼を照らし 木漏れ日が過ぎてゆく

the End

春風に頬を晒し弔った サヨウナラ 誰にも望まれなかった涙 ゴメンネ 君だけが知っていた痛み 楽しかった

special date

忘れられないひとの誕生日 忘れたように今年も過ごす 早春の風は慌ただしく 熱病のようにあやふやで なのに今年も吹いている 地球を何周しても忘れずに

雪が解けて君は

白い冬の温かさに包まれて 深く深くうずもれて 君の手をとり祈りたかった 春なんて来ぬように 手を離さずいられるように

歩き始めた三月だから

君と出会った三月だから 君と別れた三月だから肌寒い月夜も 霞んだ青空もみんなみんな大好きで みんなみんな大嫌いもう振り返ってもいいよね 思い出せなくなったから君の顔も 君の声も時の流れは不思議だね 今も変わらず大好きなのに

un, deux, trois

森田童子の《サナトリウム》が聞きたくて、 聞きたくて聞きたくて、 iTunesを検索したけれど入っていなかった。 森田童子、学生時代よく聞いた。 アルバムは今も手元にあるけど、みんなLP。 再生手段がない。 彼女の詩のように儚く美しく過去に去った。 胸の…

胸に痛い明るい日射し

楽しかったことや幸せだったことまで否定してはいけないのです。

I'm alive, but...

ハロゥ暗闇君。帰ってきたよ。 結局君の元へ帰ることになるみたいだよ。 行き場がないね。 言葉もないよ。 井戸の底に吸い取られてく雨音みたいに 言葉は声にならないうちに消えてくよ。 もうわからないんだ、声にする方法が。 責められてもどうにもならない…

遠い日は黄昏の向こう

正解があれば楽なのに。 何もかもが相反していながら間違っているわけでもない。 そんな世界を生きていくのは難しすぎる。 昔は解決の手段になり得ると思っていた議論。 それが解の近似値に近づく作業になるだろうという希望も、今は持てない。 議論は時に、…

風は地球を巡り

風が強い。冬場の雲の無い空と強い風のコンビネーションは、初めて経験した19歳の私にとって異質すぎた。来る日も来る日も続く晴天。弱っている日は暗い色の雲が見たくて気が狂いそうだった。東海道の冬。今はもう慣れた太平洋側の冬。 風の音は似ているかも…

月の光に凍える夜は

誤解されても濡れ衣を着せられても、黙っていることが増えてきた。心が広くなったわけではない。内心は穏やかではない。ただ自己弁護にエネルギーを使うことが面倒になってきた。誤解されようがされまいが、大抵のことはその場限り我慢すればそれで終わる。…