三月、皇居のお堀にて。

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東京で迎える最後の春だから、
皇居に桜を見に行った。

去らねばならない。
大好きで大好きな東京を。
たくさん泣いて諦めた朝。
根無し草の人生だもの、
わかってたこと。

白鳥の白はまぶしくて、
美しくて清らかで悲しくて。
時が止まってくれたら、
このまま白鳥の白に溶け込めたら、
東京を去らずに済むかしら。

また泣いてしまいそうだから、
浮かび上がる思考の群れを押し戻し、
何回も何回も、
流せぬ涙の数だけシャッターを切った。