poem

くちびるに剃刀こころにナイフ

抱えきれない言葉を両手に 途方に暮れた夏の午後 わたしの言葉は凶器なの わたしの心がそうだから 今さら気づいた? いつも血まみれだったのに

MISOGI - another side

雨よ雨よ 僕は君を待ち望む 君の潔さを待ち望む

MISOGI

夏山の嵐の如く突然に 崩れていった何もかも 僕はただ雨を待ち 僕はただ雨に打たれる 雨よ強く流してしまえ 優しかった記憶など

空へ帰ろう - another side

わたしが帰る場所 そして帰れない場所 だからあなたはいつも切ない

空へ帰ろう

夏の夜空があんなにも輝いていたことを 冬の夜空があんなにも煌めいていたことを いつか忘れて生きていた秋の夕空があんなにも切なかったことを 春の夜明けがあんなにも嬉しかったことを いつか忘れて生きていた空を見上げなくなったからじゃない 忘れなけれ…

invariant

変われないから苦しいの だけど変われないのがきっと私ただ前を見つめて生きてゆこう たとえ何を失ったとしても

それでも好きよ

エントロピーは増大する 覆水は盆に返らない壊れた関係も失った心も 雲散霧消を待つだけね嵐を呼ぶほどの後悔も 闇より暗い哀しみもonly painfully useless it's no use crying overだけど私は変わらない 変わらないわ

ただ温かさに憧れた

寒かった寂しかった切なかった ほんの一欠片の温かさが欲しかったなのに温かさは怖かった氷の心が溶け出しそうで 二度と強くなれなくなりそうでだからただ遠巻きに温かさを見守った

ティータイム

気を取り直して手を伸ばす 冷めてしまったティーカップ紅茶は変わらず美味しくて だから涙がとまらなかった

黒雲雀が舞った空

たまによぎる君の瞳の哀しさに、僕は気づいていたはずなのに。

夕暮れの公園で

噴水のほとりにはたくさんの人。 思い思いの夕暮れ時が交差する。 最後の光が飛沫の中で名残を惜しむ。 迫りくる闇色に暖かさと寂しさと。 わたしは白くただ白く。 心も身体も純白になろうと空を仰ぐ。 噴水の中の石像になろうと水面に願う。 去りゆく光に哀…

そして初めて気づくのさ

過ぎ去って 振り返って そして初めて気づくのさ 君がいたこと 幸せがあったこと 手を伸ばせば 失わずに済んだこと

そして雨を待ち望む

降りしきる雨 溶けてゆく泣いてもいい 泣いてもいいんだねいまだけは空の涙に抱かれてる いまだけは

雨恋

あぁ雨になろう 空へのぼって降り注ごう あなたの笑顔が咲く街へ 緑を育て雲になろう 大気に溶けて虹になろう あなたの記憶が待つ街で

星へ続く道をゆき

星へ向かって上っていった 天上(ソラ)の彼らは静かで冷たく 突き刺すように笑いさざめき 少しもロマンティックなんかじゃない 星を目指して上っていった 私は息を切らせ心を振り切る 独りだ独りだ独りだ独りだ 無情な彼らの残酷が心地よかった

終焉

風が強くなってゆく 時間が少なくなってゆく 私は方程式を書き殴る あと少しもう少し 変数は逃げるすり抜ける 諦めようか諦めまいか 風が解をさらってく 私は眠るあるいは目覚める

僕は若くて臆病だった

あっというまに時が過ぎ あっというまに君は去るそんな気がして たまらなく不安でだから君から去った 君が去る前に本気で思っていたんだ 君は強いから大丈夫だと

ほんとうは

言えなかった 寂しいなんて そばにいてなんて 失うことも 得ることも みんなみんな怖かった

花は夢

楽しかったことも 嬉しかったことも 幸せだったことも 沢山あった なのに何故? 思い出すのはいつも 寂しい瞳 悲しい笑顔 叶わぬ未来に 摘みとった夢 伝えなかった心の願い

十五夜草を君に

君の笑顔は輝いて 雲雀のように幸せだった 春紫苑の咲く丘で 夢は過ぎ虹は消え 丘に揺れるは姫女苑 高く冴え冴え秋の月 僕がもっと もっと大人だったなら

雨の朝

少しだけ懐かしい 朝の匂いは春を告げ 少しだけ暖かい 雨のリズムは時を告げ 目覚めたわたしは 今日の生に想いをはせつ 目覚めぬわたしは 逝った春を彷徨い歩く 幾許時を重ねても 同じ優しさ雨の音

木々のように空のように

姿が変わっても 色が変わっても 時が移っても 場所が移っても いつもここにいる 必ず私はここにいる だから 安心して忘れてね ここにいる 何があっても

春の風が吹いて

春風はたぶんあなたの歌声だ 優しく吹いて 華やかに戯れて 空へ空へ消えてゆく 4月4日はキャンディーズが解散した日。 4月8日はスーちゃんが生まれた日。 4月21日はスーちゃんが逝った日。 4月の空にはキャンディーズがひびく。 3人の綺麗なおねえさん、眩し…

月影歩行

君と最後に歩いた夜は 風あたたかい弥生の終わり これっきりだとわかっていたから バス停一つ余計に歩いた君と最後に歩いた道は 月影明るい慣れた道 涙は殺し楽しく歩いた君と最後に待ってたバスは 定刻ぴったりやって来た 君は笑顔でじゃあまた 私も笑顔で…

頑なに咲いていた

拡声器のアジテーション 誰もいない講義室君は独り座って前を見ていた 背筋を伸ばし怒ったようにその横顔にわけもなく嫉妬した 安保の残り香くすぶるキャンパスで

この街角で

確かに貴女はここにいた ここにいたわたしのレンズは寂しくて ひたすら残照を追いかける貴女の貴女の貴女の

ほんとうは寂しい だから独りでいよう

蒸散

心を風に 風にさらす想いは空へ 空へとばす寂しさも 切なさも忘却の掌へ

邂逅

わかっていましたたまたま居合わせた 時と場所の交差点知っていましたただ少し期待したのです 逆らえるかもしれないと

あのときも あのときも

こんなにも確かなのに こんなにも愛おしいのに