グリーン・コンプレックス

　お花をいただくのは通常嬉しいことなのかもしれないが、私はとても嫌いだ。切り花だろうが鉢植えだろうが、一日でも長く生きさせてあげようと必死になって疲れるから。目の前で命あるものが枯れていくのを、何の努力もせずに見ていることができないのだ。
　おかげで私の手元にやってきた子たちはなかなか枯れない。切り花は根っこを出して、そんなに生きる気がある子を放っておくわけにいかないので、仕方なく水耕栽培へ移行。部屋にはそういう子が増えるばかりで置く場所もない。鉢植えも何年も元気にしているから、ベランダに植木鉢は増える一方。台風の時など大変。狭い賃貸暮らしで引っ越し人生だというのにどうしてくれよう？
　

　
　また1鉢。いや、こういう蘭は見栄え良くするために2～3鉢セットで入っているから下手したら3鉢？　君は私のところへ来て不幸なのだろうか幸福なのだろうか。ひととき鑑賞されるためだけに生まれてきた子。ただ喜んで見てあげるべきなんだよね。その後の世話のことなど考えずに…。私にそれができれば。

　あぁでも、お願いだから私に植物を贈らないで（泣）。