2014/08/06 20:19:56

結局気がつくといつもS&Gに帰っている。
どれほどの月日を静寂の音を聞いて過ごしているのか既にわからない。
 
古い友だち暗闇君、君だけが話し相手なのかもしれない。
暗い街灯の灯る石畳の道で、襟を立てて冷たさから身を守る。
聞くことのできない耳で、分かち合うことのできない声を聞こうと努力する。
言葉は届かず、伸ばした手は宙を掴む。
ただ静寂が広がって、何も掴めなかった手のひらを見つめる。
果てしない井戸の底へ音もなく落ちてゆく私が発した者たち。
いつも残るのは静寂だけなのだ。
 
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by SnowyYuki 2014/08/06 20:19:56