切り花は苦手

　シクラメンって本当に篝火みたいとか書いていたら、シクラメンが届いた。白い花なので篝火には見えないが、白い炎というのも意外にカッコイイかもしれない。スケールにリカちゃんを置いてみたが、かなり立派な鉢だ。

　毎年とある記念日にとある組織から自動的に送られてくる花なのだが、１万円くらいしそうな大きなフラワーアレンジのバスケットや花器が強制的に届いて、実は本当に困っていた。花を贈られてイヤな人はいないだろうという発想なのだろうが、私は切り花が苦手なのだ！　花は根っこがついているものを楽しみたい。切られた花から悲鳴が聞こえてきそうな気がして、何だか申し訳なくて、馴染めないのである。
　ただでさえ苦手なのに、家が狭くてそんな大きな花を置く場所なんか無い。まともに飾ってあげられないのは更に哀しい。冬場なのでエアコンの乾燥が激しく綺麗なのは届いたその日と翌日くらいなのだが、多少見窄らしくなっても可哀相なので頑張って毎日水を足したり水切りして延命の努力を続けないといけない。大変な労力だ。しなければいいのかもしれないが、努力もせずに枯れていくのを眺めていては私の神経が参ってしまう。その上世話をし過ぎるものだから、１ヶ月たってもいくつかの植物は生き残り、２ヶ月も経つと大抵ドラセナとかが立派な根っこを出している。根が出ているものを捨てられない私は植木鉢を増やし、世話が続く泥沼にはまる。

　あぁ今年も切り花と格闘しなくてはならないのかと憂鬱に思っていたら、今年は根っこのついた花が届いて少しは気持ちが軽くなった。よかった。
　私は植物を育てるのは得意なのだが、実のところシクラメンとエリカだけは相性が悪くまともに育てられた試しがない。頑張ってみよう。