ロビンそしてキジ

 クリスマス前のロンドンはロビングッズだらけだった。以前5月末に訪れたときは特にロビングッズが目立っていなかったし、クリスマスのオーナメントとして人気なのだろうか?
 ロビン(ヨーロッパコマドリ)は英国の国鳥。日本に冬鳥としてやってくるジョウビタキによく似ている(と個人的に思う)。ごく一般的に見られてヒトを恐れず近づいてくるため愛されている鳥らしい。写真を見ると確かにすごく可愛い。


 で、思った。日本の国鳥は何だっけ?
 トキは Nipponia nippon だけど国鳥ではない。タンチョウは日本っぽい鳥だけど、実は日本のごくごく一部にしか生息していない。調べてみたらキジだった。そういえばそうだった。以前は知っていた筈なのにすっかり忘れていた。
 そう、日本では国鳥って忘れられるほど影が薄い。キジグッズとかあまり見たこと無いし、キジが多くの日本人に愛されているような気もしない。少なくとも英国の人々がロビンを愛する情熱に比べたらかなり愛され度は低い気がする。


 国鳥とは国を代表・象徴する鳥ということだが、日本の国鳥は1947年に日本鳥学会によって定められている。「狩猟対象として最適で肉が美味」というのが選定理由の一つで、国鳥が狩猟対象になっている国は日本だけというから興味深い。欧米に比べると日本には鳥を愛でる習慣がないのだろうか。日本人にとって鳥は愛でるものというより狩って食べるものなのだろうか。ロビンに限らず英国では鳥グッズをよく見かける(買いまくり^^;)が、日本では鳥グッズをあまり見かけないのも鳥を愛でないからだろうか。


 私は鳥飼いであるため、野鳥にしろペットにしろ日本での鳥の認知度が低いことを感じる機会が度々ある。
 日本ではペットといえば犬か猫で、鳥は様々な種類があって性質も飼い方も凄く異なっているのに「小鳥」と言われていっしょくた(その代わりペット厳禁のマンションでも「小鳥くらいなら」と許可されたりする。うちの鳥は下手したら犬よりうるさいけどいいの?)。ペット用品といえば犬か猫のものばかりで鳥用品は少量でも売ってあれば良い方だし、動物病院でも鳥を診てくれる医師はひどく不足している。鳥は病気にかかるとあっという間に死んでしまうのに。
 野鳥だって、小さい鳥はみんなスズメかメジロと思われているようだ。身近にいるハクセキレイカワラヒワヒヨドリムクドリシジュウカラでさえ多少鳥に興味がある人でない限り見分けられない。
 欧米人の野鳥に対する意識については知らないが、ことペットになると、本当にあちらの方が一般的で研究もされているように思う。鳥用のペレット(ドッグフードみたいなやつ)は輸入物ばかりだ。


 まぁ結論があるわけでもないのだが、「国鳥が狩猟対象なのは日本だけ」というのが、普段から感じている色々な現象を多少なりとも説明しているような気がして興味深かったという覚え書き。


 以下、買いまくってきた鳥グッズ。


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 そして、私の頭の中に唯一思い浮かぶ日本のキジグッズ、熊本県の伝統工芸品「キジ車」。私にはキジというより鯉幟に見えるのだが(汗)。
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