三月、皇居のお堀にて。

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東京で迎える最後の春だから、
皇居に桜を見に行った。

去らねばならない。
大好きで大好きな東京を。
たくさん泣いて諦めた朝。
根無し草の人生だもの、
わかってたこと。

白鳥の白はまぶしくて、
美しくて清らかで悲しくて。
時が止まってくれたら、
このまま白鳥の白に溶け込めたら、
東京を去らずに済むかしら。

また泣いてしまいそうだから、
浮かび上がる思考の群れを押し戻し、
何回も何回も、
流せぬ涙の数だけシャッターを切った。

空の色は水の色 雲の色は水色

天然…魔法の言葉,天然。
類義呪文に自然って言葉もある。

天然の寒さから遮断され,
寒いはずの冬にコートを着込むのが不快になってしまう不自然な世界。
そんな世界で寝て起きて食べて飲んでいるから,
天然って貴重そうだし,自然って言われたら何か良さそうと感じてしまう。

いやいや危険な自然は多々ありますよ?
自然=良いなんておかしいでしょ。
原発放射線は悪で天然の放射線は良いみたいな笑い話ね。
いやもうめんどくさい,危険な天然も自然だからいいんだよ。
死ぬのも滅びるのも自然だし。

水の色が本当は透明で,
水の表面は本当は鏡のようで,
映しだされた色が水の色で水色だとしたら。
閉じ込められた天然は,
水色のようにやっぱり少し薄くて a little lighter で,
何となく納得できるようなできないような気がしたのだった。


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