月影歩行

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君と最後に歩いた夜は
風あたたかい弥生の終わり
これっきりだとわかっていたから
バス停一つ余計に歩いた

君と最後に歩いた道は
月影明るい慣れた道
涙は殺し楽しく歩いた

君と最後に待ってたバスは
定刻ぴったりやって来た
君は笑顔でじゃあまた
私も笑顔でじゃあまた

君の乗ったバスは闇に溶け
私も踵を返して歩き出す
君を忘れようとして十年歩いた